2008年02月22日

YAMAHA FG-402

スペック
胴型 フォーク
弦長 636mm
表板 エゾ松合板
裏板 コーラルローズ合板(3ピース)
側板 コーラルローズ合板
棹  アフリカン・マホガニー 
指板 パリサンドル 下駒 パリサンドル

1975年〜1978年 前期オレンジラベル 当時定価40,000円
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FG-401
と対を成す、オレンジラベルの最高峰です。

やはりオークションにてJUNKとして購入。
こいつもなかなか気合いの入ったJUNKでした。
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ネックヒールのヒビは、接着部が外れたのだろうとの予想に反して、完全に木目を無視した亀裂になっています。
弦の張り具合によって隙間が著しく変わり、かなり危険な状態です。
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至る所に打痕や傷があり、ペグのメッキは見事に死亡しているうえに、なんかネトネトしています。おまけにナットまで欠けている始末。。。

気を取り直してリペアに挑戦です。
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今回は亀裂の接着ですのでシリンジ(注射器)を買ってきました。
万一目詰まりした時の為にシリンジが2本と、注入針が大小2本ずつ。注射器のそばに病院で貰う塗り薬の入れ物(プラ壺)があったので、気分的?に購入。
手持ちのナット各種も一緒に撮影です。
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液体ニカワを1割ほどの水で薄めて亀裂に染み込みやすくします。粘度の高い液体をシリンジで吸い上げるのはとても大変です。

弦を強めに張って亀裂を広げ、液体ニカワを流し込んでいきます。
隙間にニカワを盛るように流し、ネックを押したり引いたりしながらパクパクしていると毛細管現象も手伝ってだんだん奧にニカワが吸い込まれていきます。ニカワが減ったらまた盛り直し、パクパクを繰り返していると、湿気が亀裂の奧まで届いたのでしょうか、パクパク開く隙間が増えてきました。折れるんじゃないかと冷や冷やしながら、慎重に作業を進めます。
しばらくすると、パクパクしても盛ったニカワが減らなくなり、隙間に行き渡ったようです。クランプでしっかり固定し、溢れたニカワを軽く拭き取って、安静にします。
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クランプだけでは亀裂が密着せず、写真のように工具箱を重石にして接合部を密着させています。ヘンな所から逆反りにならない事を祈りつつ1週間ほど放置しようかと考えています。

・・・と言いつつ、放置は1ヶ月に及びました。

402-10.jpg重石とクランプを外すと、結構しっかり接着出来ているようです。

スクレーパーではみ出したニカワを落とし、塗装します。
ところが私、この塗装が大の苦手で。。。厚く塗っているつもりでも、仕上げに水研ぎをしている間に殆ど削り取ってしまいます。
何度も塗っては全部剥がしの繰り返しで、やっぱりダメです。結局塗りっぱなしの仕上げ研ぎ無しが一番美しいので、ザラザラのまんま放置です。販売するワケではないので問題なしです。
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欠けているナットは交換します。
ナット溝の接着剤はマイナスドライバーでキレイに剥がします。
ネトネトするペグを掃除するために外しますが、ペグを止めている木ねじが全く効いていなかったので、爪楊枝とタイトボンドで穴を塞いで固定し直します。ピカールで掃除したペグを取り付けます。メッキが剥げて斑模様ですが気にしません。
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ナットは手持ちの中で一番サイズの近かったグラフテックのTUSQを使用します。タスクは人工象牙で、評判はなかなか宜しいようですね。きれいにしたナット溝に瞬間接着剤で点付けします。ベッタリ塗ると後で取り難くなりますし、接着剤の膜が間に挟まると音にも良くないようです。

ここで一度弦を張ってみます。
やはりヒビの場所が悪かったのか、所謂「元起き」状態です。ネック反り無しで、6弦12Fが6mm・・・そんな物を治す技術は持ち合わせていないので、出来るだけサドルを下げる事にします。とは言えサドルには3mm程しか余裕がありません。
402-16.jpg
市販の牛骨サドルに純正の形を書き込み、削っていきます。サドルの高さを下げる時は、サドルの底辺を正確に削らなければなりませんが、そんな面倒な事は嫌いですので、迷わず上面を削っていきます。どうせ2弦や5弦部分を角度を付けて整形するので、元の形を保持する意味はありません。大まかに削れたら、ブリッジの形と弦の位置を書き込みます。それを目安にして、削りすぎないよう気を付けながら調整していきます。写真一番下のサドルが純正より1mm程下がった状態です。再び弦を張り確認すると、焼け石に水と言わんばかりです。ここからあと1mm下げたところでそろそろ限界です、ここでサドル調整は終了です。

サドルの調整が終わった時点で、6弦12Fが5mmとまだ高いです。ネックが元起きしているので、反っていなくても順反りと同じ状況です。弦との平行を超えないようトラスロッドを締めて逆反りさせます。トラスロッドの調整は、すぐに結果が反映されないのでついつい過ぎてしまいます。平行を超えて逆反りすると「ミーンミーン」と虫の声のようなビビリが出ます。ビビリが出ないよう調整して完成です。6弦12Fで3.8mm、逆反りしているのでローポジションは結構ベタベタに低くなっています。ハイポジションはあまり使わないので、非常に弾きやすいギターになりました。

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シリアルからは1976年製だと判ります。
さすがオレンジラベル最上位機種です。高価なギターには及びませんが、落ち着きのある深く豊かな音が響きます。
一時は手に負えないと諦めかけた事もありました。安価なFGですから、プロのリペアに出すなんて事は最初から選択肢にありません。それも宿命なのですが、安価だからこそ素人が思い切った修理に挑戦出来たりもします。
運よく生き残ったこのFG-402は私の大切な宝物の一つになりました。





posted by Takeshi at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ギター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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